有田市の概況 

 

 有田市は、和歌山県の北西部、県都和歌山市より約20kmにいちし、高野山を源とした有田川が市内を貫流し、紀伊水道に注いでいる。

 北は下津町、東は吉備町、南は湯浅町と境を接し、西は紀伊水道に面している。

 地勢は、北部に長峰山脈、南部に中山脈が連なり、その中央部を有田川が東西に貫流している。

 有田川の地域には平野が開け、南北の山腹と共に多くみかん畑となっている。

 みかんは、「紀州有田みかん」の本場として古くから全国にその名をはせている通り、市の農業生産の95%以上を柑橘類が占め、そのほとんどが温州みかんである。

 また市内には5つの漁業組合があり、底引き漁、定置網漁、一本釣り漁、刺網漁等で水揚げされる魚種は豊富で、主に京阪神へ出荷されている。

 工業では、有田川右岸河口部に県北部臨海工業地帯の一画として大規模な石油精製工業があるほか、電線、ケーブル、製缶、造船工業があり、地場産業として作業用手袋、蚊取り線香の製造工場がある。

 

 

 地 形 

 北境に長峯山脈が西走し、明神山脈となり、海に入って苅藻、沖ノ島、地の島となっている。この山系は古くより柑橘栽培適地として山頂近くまで耕作されている。南部は白馬山脈の一部で西走して海に入り、柑橘栽培と美しい海岸線を作って観光地としての風致を誇っている。高野山から源を発する有田川は延々100km、水清く豊かに市内を貫流して古くはみかんの移出舟便に、今は農業・工業用水として利用度が高い。両岸の平坦部は土地肥沃、耕地も整然として米麦、除虫菊、けし等が栽培されていたが、近年ほとんど転換され、みかんと一部水稲が、海浜砂地帯には一部蔬菜栽培が行われている。

 

 

 地 質 

大部分が日本最古の地層である古成層で、御荷鉾系の種として変岩帯である。この土壌は、保水力に富み、排水、通気性も良好で、みかん栽培に適している。

 

 

 気 候 

 温帯の中央部よりやや南に寄り長峯白馬の両山脈に包まれ、暖流の流れる紀伊水道に面して気候温暖で夏期雨量も多く、又厳寒の候でも、零度以下となるが積雪を見ることは希である。平均気温16℃内外で瀬戸内海の漸移地帯と考えられる。雨量は1600mm内外、冬期は北西の強風が多い。初霜は12月中旬、終霜は3月下旬、積雪は5cm程度である。

 

 

 交 通 

 大正13年、紀勢本線開通まで地形上交通は極めて不便であった。有田川、北湊を利用する水上交通に依存し、有田みかんの集散地、又は熊野街道の船舶寄港地として海上交通が発達した。現在、国道42号線の完備と阪和高速道の完備により産業の発達、観光開発に大きな期待がもたれている。