アグリnavi

今月の農作業(9月)柑橘・水稲

更新:2021年9月1日

柑橘

仕上げ摘果

本年は裏年傾向となり、さらに梅雨入りが早かったため、生理落果が助長されたことが重なり着果量の少ない園地が見受けられます。対策として摘果時期を遅らせ着果負担をしっかり掛け、果実品質の向上に努めましょう。

ただし、摘果時期を遅らせることで、単純な摘果遅れにならないように注意し、計画的に仕上げ摘果を行いましょう。

仕上げ摘果方法

粗摘果でスソ・フトコロを重点的に落としていれば、表面の果実は肥大が進み、果実重によって枝が垂れ下がり、果皮にツヤがでてきます。この状態になってから仕上げ摘果を開始しましょう。

仕上げ摘果する果実は、以降の果実です。

スソ・フトコロの見落とし果

スソ・フトコロの見落とし果

7月号にも掲載しましたが、スソ・フトコロは日光が当たりにくく、低品質な果実になる部位となりますので、残っている場合は摘果してください。

外傷果・病害虫被害果

外傷果・病害虫被害果

商品価値が低い、果実は仕上げ摘果で落としてください。本年産は、灰色かび病の被害が多くありました。仕上げ摘果で落としましょう。

上向き果実(枝が下垂れした際上向きになっているもの)

上向き果実

枝が下垂した際に上向きになっている果実は、果梗枝が太く品質が上がりにくいとともに、天候の影響を受けやすいため、果皮障害が発生しやすくなります。

小玉果

小玉果

小さい果実は、大きい果実に比べ供給される養分が少なくなります。また、先端の果実ほど品質が上がりやすくなりますが、小玉果も多くなります。先端部の果実の中で、大きい果実を残し、小さい果実を摘果することで収穫時の品質均質化が図れます。

天成果 ・ 日焼け果の処理

天成り果や日焼け果は、早期に除去すると秋芽が発生する恐れがあります。10月中旬以降に基部からハサミで切除してください。

秋芽が発生すると着色遅延に繋がります。また、秋芽発生に伴い根が伸長し、水分の吸収により、糖度が上がりにくくなる原因にもなります。

天成果 ・ 日焼け果の処理

浮皮軽減対策

浮皮は、果皮と果実の間に空間が発生する生理障害になります。近年の夏季の高温や、秋以降の高温多雨により、浮皮の発生が多くなる傾向にあります。浮皮が発生しやすい園地や品種では対策を行うことが重要となります。

9月上中旬に、表1を参考に散布を検討してください。ただし、散布による着色遅延が確認されているため、初めて散布を行う園地では特に注意が必要です。詳しくは、営農指導員にお問い合わせください。

浮皮軽減対策

台風対策

温暖化の影響もあり、勢力の大きい台風が発生しやすくなっています。暴風雨・園地の冠水により、かいよう病・褐色腐敗病発生の恐れがあります。

台風

かいよう病(表2)

台風が襲来するまでに防除を行ってください。

かいよう病

褐色腐敗病(表3)

褐色腐敗病薬剤

水稲

収穫について

稲刈りの時期となります。収穫の目安は、出穂から38日です(品種及び気候等により日数の変動があります)。例えば、8月上旬に出穂の園地では、9月中下旬が収穫期となります。

収穫量の目安は、10a当たり480kg(玄米重)です。

収穫について

乾燥について

収穫したお米は乾燥させます。

機械乾燥の場合は、乾燥速度を時間あたり0.5%までとしてください。急速な乾燥は胴われの原因となります。また、お米を出荷する方は、水分過多に注意し、水分量は15%までとしてください。

水分の高い場合は、検査を受けられません。

等級について

お米にも等級があり、鑑定で1等から規格外まで4等級に分類します。鑑定方法として、お米をカルトンに入れ、整粒・着色粒・異種穀粒等の割合で等級を決種穀粒等の割合で等級を決定します。

但し、米穀鑑定には資格を有します。

等級について