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今月の農作業(5月)柑橘・キウイフルーツ・水稲

更新:2021年5月7日

柑橘

新梢・着果管理

新梢・着果管理として、摘蕾や植物ホルモン剤を用いた方法があげられます。
※発生させた新梢は、来年果実をつける結果母枝になります。アブラムシやミカンハモグリガに加害されないように防除を行ってください。

新梢・着果管理

※フィガロン乳剤とターム水溶剤は生理落果の時期に合わせて散布してください。園地によって満開日は異なりますので、こまめな観察によ り判断してください。また、平均気温25度程度が散布に適した気温になります。30度を超えると過摘果になる恐れがあるので注意してください。

農薬散布時のポイント

「2021年柑橘類防除基準」を参考にし、病害虫の発生状況・気象環境を考慮し防除を行ってください。

薬液をしっかり付着させること
枝が混み合っている場合など、薬液が付着しにくい状態になっている場合は、樹幹内部にしっかり散布することが重要です。

薬剤の効果が発揮される剤・方法を用いること
1つの薬剤で全ての害虫に効果があるものはありません。発生している害虫、発生の恐れがある病害、それぞれに最も効果のある時期・倍数で散布を行ってください。

防除のタイミング
害虫に関しては、対象の害虫が存在し、かつ効果があるタイミングで散布する必要があります。また、病気に関しては、予防が基本となります。

農薬の混用順
農薬を入れる順番は溶けやすいものから入れることが基本となります。農薬の混用順をテニスとすることで簡単に覚えることができます。

農薬の混用順

病害虫防除

※薬剤・倍数は「2021年柑橘類防除基準」を参考にしてください。

灰色かび病
花弁に発病し伝染します。雨が多く続き、多湿条件になると多発します。満開期から落弁期において防除を行ってください。

灰色かび病

ケムシ類
新梢発生直後から加害されます。特に日当たりが悪い園地や発芽の揃いにくい園地では要注意です。下草にいないか等、こまめな観察を行ってください。

クワゴマダラヒトリ

かいよう病
近年、発生の多い園地が見受けられます。気孔や傷口(ミカンハモグリガの食害なども)から組織内に侵入し感染します。ボルドー液等で防除することが、新梢や果実に感染することを防ぐためにも重要な作業になります。

かいよう病

防除のタイミングに応じて営農メール等でお知らせしています。営農メールを未登録の方はお近くの営農センターへ印鑑をご持参の上お尋ねください。

定植2年目苗木の管理

苗木の管理

夏梢を出すことで樹を大きくするとともに、翌年の着花過多を防ぎ樹が大きくなりやすい状態を作ることができます。

苗木の管理:間違ったパターン

ポイント
※新梢を加害するアブラムシやミカンハモグリガの防除を徹底してください。

灌水
5月に乾燥が続くと果実や新梢の生育やホウ素欠乏等、様々なところに影響を及ぼしますので注意が必要です。10日程度雨が降らない場合は灌水を行ってください。

水稲

苗作り

田植えの時期が近くなってきました。昔から「苗半作」と言われる様に苗作りは米作りの基本であり、健全な苗の育成が条件です。

では健全な苗とはどんな苗をいうのでしょう。それは病気にかかっていないこと、根がしっかり張っていること、茎が太く背の低いズングリした苗であること、よく揃った苗であることなどが挙げられます。

箱当たりの種子量 … 200g(約2合)蒔いてください。

播種時及び発芽後の防除
播種時及び発芽後の防除

苗立枯病
タチガレン液剤 … 1000倍 500ml/箱

種子消毒について

種子消毒の実施

[薬剤]
テクリードCフロアブル … 200倍
スミチオン乳剤 … 1000倍
※尚、手順については防除暦をご覧ください

基肥について

田植え前に施用してください。

早生系
エムコート522 … 40~50kg

中生系
セラコートRワン … 60kg
※有機配合型栽培については、水稲防除暦(山間部)をご覧ください。

箱処理剤について

箱処理剤の散布は、移植3日前から移植当日に散布してください。
スクラム箱粒剤50g/箱

除草剤について

代かき後~移植7日前
サキドリEW … 500ml/10a

移植直後から30日まで
ウィナーLジャンボ … 500g/10a
キマリテ1キロ粒剤 … 1kg/10a
カチボシLジャンボ … 300g/10a

※上記の内、いずれかを散布してください。

スクミリンゴガイ(対策)ジャンボタニシ

ジャンボタニシの食害を防ぐには、田植え後から硬化するまでが重要です。
スクミノン … 1~4kg/10a

キウイフルーツ

人工受粉

開花後、3日間は受粉能力があります。受粉期間中に雨天に遭うこともありますので、粉末受粉か液体受粉 のどちらかで選択してください。液体受粉については作業効率の良さと少雨でもできる利点もありますが、外気温の影響を受けやすく、15度を下回りますと受 粉不良になりやすいので注意してください。

キウイフルーツ:液体受粉による受粉方法