アグリnavi

今月の農作業(1月)柑橘・すもも

更新:2023年1月1日

柑橘

令和4年産温州ミカンを振り返って

気象結果

令和4年度は、年間の累計雨量が平年と比べ少ない結果となりました。5月は降雨が少なかったため昨年のような灰色かび病の被害は見受けられませんでしたが、気温が平年よりも低く推移したことにより、生育の遅れが見受けられました。8月上旬は乾燥が続きましたが、9月以降高温多雨により着色遅れ、秋芽の発生が多く見られました。

品質結果

令和4年度は梅雨明けから夏場にかけて降雨が少なく、平年に比べ糖度が高く推移しました。8月に入ると降雨量が極端に少なく、灌水を行っていいない園地では、落葉や根の傷みにより樹勢が低下し、その後の品質が伸び悩む原因となりました。8月の乾燥後、9月上旬から中旬の定期的な降雨と、気温が高く推移したため、秋芽の発生した樹が多く見られました。また、秋芽の影響により着色の遅れ、台風の襲来による生傷が多く見られました。
10月中旬以降は、晴れ間も多くなりましたが、平年に比べ糖度は低くなりました。

果実肥大は、初期は平年に比べ小玉傾向でしたが、9月以降定期的に雨が降った影響もあり大玉傾向となりました。

以前と比べ、異常気象による影響により、柑橘類の栽培が難しくなっています。基本管理の差による品質差が見られます。剪定・摘果・施肥などの基本管理を再度徹底していきましょう。

令和4年度 最高・最低気温 アグリnavi 2023年1月
月別累計降水量 アグリnavi 2023年1月
令和4年度 早生ミカンの果実品質推移 アグリnavi 2023年1月

樹勢回復

着果過多により、樹勢低下園が見受けられます。樹勢回復のため、気温が10℃以上ある暖かい日に、尿素500倍を2~3回散布してください。
また、冬期の乾燥は、落ち葉や枝枯れ、樹勢低下の原因となるため、2週間程度降雨がない場合は、暖かい日に灌水を行ってください。特に根が浅いゆら早生や若木では注意してください。

カイガラムシ類・ハダニ類の防除

近年秋の気温が高く。以前に比べカイガラムシ類の被害果が多く発生しています。カイガラムシ類やハダニ類が多く発生している温州ミカンの園地では、収穫後12月中旬から1月中旬の散布前後が暖かい日に、夏マシン油乳剤(97%)60倍または、冬マシン油乳剤(95%)45倍のいずれかを散布してください。カイガラムシ類やハダニ類は、葉の裏や枝・幹を中心に生息しています。噴霧ノズルの種類や散布量を工夫し、今まで以上に樹幹内部まで丁寧に散布するようにしましょう。
幼木や樹勢の低下している樹では散布を控えてください。また、中晩柑類は収穫後に散布してください。

隔年結果対策

令和4年産で極端に着果が少なく、令和5年産で着果過多が予想される樹を対象に、収穫後から1月下旬を目安に夏マシン油乳剤(97%)60~80倍にジベレリン液剤2.5ppm(2000倍)を加用し散布を行ってください。詳しくは営農指導員にお問い合わせください。

土づくり

健全な樹、高品質果実生産のためには、土の生物性・化学性・物理性の改善が重要です。1~2月の作業適期に積極的に行い、短期的な効果ではなく、長期的な目線で土壌改良を実施しましょう。
柑橘の最適なPHは5.0~6.0とされていますので、適正なPHに矯正する必要があります。土壌分析の結果に基づいて施用しましょう。
固くなった土壌では、養分や水分の吸収が悪くなり、樹勢の低下を招き生育不良や収量の低下、果皮障害が発生しやすくなりますので、堆肥などの有機物を施用してください。未熟な堆肥では樹勢低下の要因となりますので、完熟堆肥を用いるようにしましょう。

中晩柑類の後期落果対策

中晩柑類の収穫時期となり、後期落果しやすい品種は対策として、マデックEWを2000~3000倍(使用回数年間2回)で散布してください。マデックEWは着色が進んだ状態で散布を行うようにしてください。
※マデックEWは登録変更により年間2回使用が可能となっています。

すもも

整枝・剪定

樹齢の古い樹が多くなってきています。側枝の更新や捕植など計画的に進めてください。
すももの花芽は、長果枝・中果枝・短果枝のいずれにも形成されますが、安定した結実と収穫ができるのは短果枝です。剪定の際、そのような枝を適度に残すようにしてください。

側枝の配置と間隔

側枝は、主枝・亜主枝の側面からの枝を選び、大石早生・ソルダムでは、40cm~50cmで配置するようにしてください。

側枝の更新と予備枝の設定

古い側枝は、結果枝の発生が減少し肥大がわるいため、一年枝を誘引し予備枝とし、毎年新しい側枝を確保してください。

病害虫防除

カイガラムシ類

最近では、秋口にかけて発生し、越冬個体も多いため、石灰硫黄合剤10倍を散布してください。