農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#7

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更新:2023年4月27日

今回は和歌山県有田川町で山椒を中心に、水稲や野菜などを栽培する白藤勝俊さんにお話を伺いました。今から約20年前、両親の後を継ぐために農業を始めました。

土と水とわたし #7
土と水とわたし #7

就農のきっかけを教えてください

約80年前、祖父の代から山椒栽培を開始しました。今では誰もが知る「ぶどう山椒」を発展させ、遠井地区を産地化するために、祖父を含めた3軒の農家で、生産組合を立ち上げたと聞いています。

取り組み始めた頃は、台木探しや栽培方法の確立など、園地を安定させるまでに数十年を要したそうです。また、販売先を探すために、東京の食品や製薬メーカーへと直接出向き、「ぶどう山椒」の魅力を伝えるなど苦労を重ねてきました。そのような背景から、「祖父の代から築いてきた土台を、決して絶やしてはいけない」と、後を継ぐ決心をしました。

農業のやりがいを感じるのはどんな時ですか

山椒は、例年1月頃に消毒作業を開始して、剪定や土壌改良を施しながら春を待ちます。4月からは、施肥や除草作業を日々行い、7月の収穫作業といった流れになります。

剪定や除草、施肥、消毒など毎日の大変な重労働や、何気ない作業の一つひとつまで、随所に祖父が残してくれた山椒への感謝を感じます。作業を終えるたびに、仕事に対するやりがいを感じます。また、収穫時期には人を雇いますが、大勢でワイワイと作業ができる収穫時期が昔から一番楽しくて好きです。

これからの目標について教えてください

近年、有田川町遠井地区では、担い手不足や生産者の高齢化に伴う耕作放棄地の増加により、山椒生産量がどんどん減少しています。現状には危機感と寂しさを感じるため、昔のような活気に溢れた遠井地区の姿を取り戻したいと思っています。そのために、役場の方々と協力してイベントの企画や動画を作成して、地域の魅力を伝えて移住者の呼び込みを試みています。

また、息子も私の姿を見て、熱心に山椒づくりに取り組んでいます。時には親子で熱く山椒づくりについて話し合うこともありますね。

祖父の代から脈々と受け継いできた「ぶどう山椒」の伝統を、これからも守っていくことが目標です。

プロフィール

白藤 勝俊

  • 生産している主な農産物 山椒、水稲、野菜
  • 営農地域:和歌山県有田川町

かつては賑わいを見せていた有田川町遠井地区の農業を、昔のような活気に溢れた姿にしていきたいです。有田の特産品「ぶどう山椒」を、これからも守っていきます。