農業者インタビュー

農業者インタビュー

土と水とわたし#11

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更新:2023年8月31日

今回は和歌山県湯浅町で温州ミカン栽培に取り組む湯川知明さんにお話を伺いました。湯川さんの園地では、約20年前に新品種が発見され、現在品種登録に向けて奮闘中です。

就農のきっかけを教えてください

子どもの頃から多忙な両親の姿を見ながら「実家のミカン農家を継ぐだろうな」と思っていました。学生時代には、農学部に進学して農業について学んでいました。しかし、在学中から「もっと実践的な勉強がしたい」と思い、二十数年前に就農することを心に決め、実家で父親のもと就農しました。

温州ミカン栽培の取り組みについて教えてください  

約20年前に一樹変異で新しい品種を発見しました。名を「あおさん」と命名し、2年前から新品種として品種登録の出願をしています。「あおさん」については、数年前に果樹試験場へ情報提供を行い、果実調査を進めてきました。

また、苗木業者と協力し、接ぎ木で株を増やす取り組みも行っています。来年には苗木販売ができるということで、「あおさん」の知名度向上や普及させることを目的にPR活動を行ったり、栽培を希望する生産者には園地見学に招くなど、魅力を伝えるためさまざまな取り組みを行っています。                                  

今後の展望や目標について教えてください

農業に関しての研究をすることが好きで、現状「あおさん」の収穫時期は1月頃のため、年内に収穫ができるものを作りたいと思っています。そのため、さまざまな花粉を受粉させて収穫時期を前倒しにする研究に励んでいます。 自分の園地から新品種が誕生し、名前を残せることは日々の仕事に対して大きなモチベーションアップとなります。将来的には、多くの生産者に定植してもらい、消費者の方々に喜んでもらえるように頑張っていきたいです。

プロフィール

湯川 知明

  • 生産している主な農産物 温州ミカン
  • 営農地域:和歌山県湯浅町

農業に関しての研究をすることが好きです。自分なりに試行錯誤を繰り返して挑戦を続けています。