有田みかん

みかんマメ知識

みかんは健康食品

最近、安全・健康が注目されている中で、JAありだの主産物である温州みかんに含まれているβ‐クリプトキサンチンががん抑制に効果があると発表され、その他にも風邪ひき防止や抗アレルギー作用、各ビタミンなど栄養素の含有が取り上げられています。

これからは、みかん(をはじめとする柑橘類)は健康食品として、毎日摂取していただきたいと思います。

機能

β‐クリプトキサンチン β‐クリプトキサンチンは、がん抑制効果のほか、骨粗鬆症、肝機能障害、糖尿病、動脈硬化などの予防作用や脂質代謝改善作用にも高い効果があると期待されており、研究が進んでいます。
ビタミンC 1日に必要とされているビタミンC(50mg)は、みかん3個程度で補えます。手軽にとれるビタミンC供給源といえます。
ビタミンB1 炭水化物をエネルギーに転換するのに不可欠な栄養素です。不足すると慢性疲労などの症状が出ます。熱に弱いので、生食できるみかんは摂取効率の良い食品といえます。
ヘスペリジン(ビタミンP) フラボノイドの1種で、がんの原因の1つといわれる活性酸素を抑える「抗酸化作用」を持ちます。白い筋の部分に多く含まれます。筋を取らずに食べるとよいでしょう。
カリウム 利尿作用で、高血圧の原因となるナトリウムを体外に出す働きがあります。
食物繊維(ペクチンなど) かんきつの特に皮、袋、筋の部分には、食物繊維が多く含まれています。ペクチンは水溶性の良質な繊維で、腸の中で水分を調節し、便秘を解消します。
β‐カロテン カロテンは体内で、免疫細胞を活性化させるビタミンAに変化します。残りは抗酸化物質として働きます。
クエン酸 酸っぱさの成分であるクエン酸はエネルギーを作り出し、老廃物を体内に残さないようにする成分です。つまり、疲労回復に働いてくれるのです。
陳皮(みかんの皮) 皮には香りのもととなるリモネンなどを主成分とする精油が含まれています。皮を乾燥させてお風呂に入れると、この精油成分が溶け出し、毛細血管を広げて血行を良くします。

みかんの保存方法

みかんが出回る時期、箱入りでいただいたり箱買いした場合、一度に食べきれず数日間置いておく必要があります。
みかんは比較的保存の効く果物です。冬の寒い時期、何度も買いに行かなくても、自宅のすぐ手の届くところにあるみかんは、とても便利な食べ物です。

また、みかんは袋売りで買うより、箱売りで買った方が断然お得です!
ちょっとした工夫で長期保存できるみかん。思い切って箱買いして上手に節約してみましょう。

しかしみかんは収穫後も生きています。呼吸をしています。糸状菌(カビ)に狙われています。
なので油断していると、何日か経って、さあ食べようと思ったら、「いっぱい腐っていた」ってこともよくあります。

そんなことを少しでも防ぐための、みかんの保存方法をご紹介します。

みかんを箱買いなどでたくさん入手したら

まず選別をする

箱から一度出して、傷んでいないかチェックして下さい。

  • まず、腐敗したみかんがあれば、必ず取り除く。
    みかんの腐敗は糸状菌(カビ)が原因で、青カビ病、緑カビ病、白カビ病、褐色腐敗病、黒斑病、軸腐病などがあります。空気伝染・接触伝染します。ですからカビのある(疑わしいものも含む)果実は必ず取り除き、接触していた果実もできれば乾いた布やティッシュなどで拭くか、早めに食べて下さい。
  • 次に、長く保ちそうなものと、早く食べた方がよいものとを仕分けます。
    早く食べた方がよいみかんとは、生傷(癒えた傷ではなく、切り傷や打ち傷)があるもの浮皮(皮と実の間に隙間がある)のもの他のみかんの重みで形が変化しているもの箱の中で、底に入れられていた(と思われる)もの(負担がかかっている)鮮度はヘタの色で見分けられます(緑色>黄色>茶色)

どうしても箱から出すのが面倒な人は、せめて箱はひっくり返して底から開けて食べて下さい。

箱をかわかす

みかんが入っていたダンボール箱は、昔の木箱や近年のダンボールは、ある程度湿度を吸収したりして調整できるので使われていますが、流通の過程で雨などで湿度が高くなっている場合があります。

みかんを箱から出したら、しばらくの間風通しの良い場所で乾かしましょう。

箱へ戻す時

箱から出す時もそうですが、一気に転がして出すのではなく、できれば果実に傷(衝撃)を与えないように丁寧に出して、丁寧に入れて下さい。

産地でも、収穫したみかんは出荷するまで、できるだけ丁寧に扱うように心掛けています。少しでも腐敗果実が発生しないためです。

新聞紙で包むか、敷くか、一緒に入れるだけでも余分な湿度を吸収してくれます。果実が密着していると、腐敗が発生した場合は隣の果実に移りやすいのです。

どちらかと言えば、ヘタは下にくるように置く方が良いでしょう。ヘタの硬さがある程度重みを吸収してくれます。

何層にも上に重ねると下の果実に重さがかかるので、できれば1~2段積みに。

木箱などに新聞紙を敷いてみかん同士がくっつかないように、重ねず一段で並べて保存するのがベストです。長期貯蔵してから出荷する産地はこの方法で保管します。

入れ終わったら、箱のフタは閉めず(密封せず)に開けたままにして下さい。

すぐ食べる分はカゴへ入れましょう

みかんの保存には通気性を良くするのが一番なので、メッシュ素材が最適です。
こたつの上に置いてある、みかんが入ったカゴを思い出してみてください。あのような通気性の良いカゴがみかんには最適なんです。
しかも上に積み重ねず、できるだけ平らなカゴがベストです。
だから底面ができるだけ平らな、竹ザルや籐のカゴがいいですね。

置く場所に気を付ける

置く場所は、カビが好まない温度(5~10℃位)と、湿度が整いやすい場所にします。
できるだけ気温が低い風通しの良い場所が良いでしょう。直射日光の当たらない廊下など。暖房がかかっているような部屋はNG。
定期的に傷んでいないか確認し、不安なものから食べて行きましょう。

冷蔵庫で保存する場合

冷蔵庫で保管すると、乾燥してしまったり、味が落ちる(酸っぱくなったりする)と言われています。
なので、ハウスミカンなど夏場の暑い時期は、冷蔵庫に入れて保存した方が良いですが、冬のみかんは基本的に常温保存です、但し暖房の効いていない涼しいところです。
冷蔵庫に入れる場合、キッチンペーパーや新聞紙で包み、袋にいれて野菜室に保存するようにしましょう。
冷蔵庫の中でもカビは安心できません(低温でもカビは進みます)ので、定期的にチェックして下さい。

冷凍する場合

さらに長く保存したい場合、冷凍する方法もあります。
自然解凍すれば、美味しくいただけます。
皮を剥かずにまるごと冷凍する方法と、皮を剥いて内袋(一房ずつ)を分けて冷凍する方法があります。
薄皮は剥かず、そのままラップにくるんで冷凍すれば、1~2ヶ月は保存可能です。

お買い求めの際に…

我々産地では、みかんを収穫し、選別作業を行い出荷しますが、その間果実をできるだけ丁寧に扱うよう心掛けています。そして勿論出荷の最終段階で腐敗(及び腐敗予備軍の果実)は混入しないように注意を払っています。
それでも消費地に届くまでの流通過程で、衝撃を受けたり、店頭で日にちが経過したり、あるいは転売されたりして、箱を開けた時に腐敗が発生していることがあります。
お買い求めの際は、できるだけ新鮮なもの(入荷して時間が経っていないものを選んでいただきたいと思います。

そしてもう一つ、注意をしていただきたいのは、どこのみかんか分からないものを「有田みかん」の箱へ入れられていないか?です。
お買い求めの際には、有田の中のどこの産地か?選果場か?出荷者か?を確認して下さい。
お店で確認できない(出荷者が不明なもの)は、少し怪しいかも。
地域団体商標「有田みかん」の登録番号が正式に明記されている出荷者については、JAありだが把握している出荷者です。

最近、箱買いが少なくなり、街では1kg程度(8~12個)入りの袋売りが多いようです。でもみかんがお好きな方は、ぜひ(10kg)箱でお買い求めいただき、正しく保存しておいしく食べて下さい。その方が絶対お得です。

みかんの有田剥き

みかんの剥き方は人それぞれ、もちろん食べる人の自由です。
けど、「産地ではこのように剥いて食べています。」ということを紹介します。
「有田剥き」とか「和歌山剥き」などと呼んでいますが、要するに果頂部(ヘタの無い方)から割って剥く方法が産地では一般的です。

みかんの花の香り

みかんの大産地ならではの自慢「みかんの花の香り」

5月になると有田の谷に、みかんの花の香りが一斉に広がります。全国一の生産量ならば、みかんの花の香りも日本一のはずです。地元では、「有田の谷」と呼ばれるほど、周りが山に囲まれていて、有田川に沿って大きな谷のような地形となっています。

なので、みかんの開花期には、街中がみかんの花の香りに包まれます。何とも言えない、甘酸っぱくて、爽快な香りです。こればっかりは、ホームページでもTVでも伝えられません。体感していただくためには、こちらへ来ていただくしか方法がありません。
日中は街の活動が盛んになり、香りは少し分かりにくくなりますが、空気の澄んだ早朝などは、目覚めた時に素晴らしい香りに包まれます。

有田では、いったいどれだけの数のみかんの花が咲くのでしょうか?

まだ誰も数えたことがありません。当たり前です。数えるのは不可能です。学生が試験研究として1本の樹の花の数を数えたことはあるようですが、多い樹では一日かかっても終わりません。多い樹は数万個です。
逆に極端に少ない樹では、ほとんど花が着かない場合もあります。10アール当たり100本植えているとして、3,000ha以上の園地で・・・みかん以外の柑橘類も足すと・・・
ざっと計算しても、100億個はあるでしょうか?それが正しいとも言えませんし、年によっても違います。とにかく、日本一沢山のみかんの花が一斉に咲き誇り、素敵な香りを漂わせます。

有田市では毎年この時期に、みかんの花が咲く道をウォーキングするイベントも開催され、好評で年々参加者も増えています。ぜひ5月(GW頃)にこちらへ来る機会があれば、体感していただきたいと思います。

ハチミツ

みかんの開花期、地元の養蜂業者の方達は、かき入れ時です。
ミツバチは大忙しです。そのハチミツは他の花の蜜がほとんど混じらない、純度の高いみかんハチミツです。

みかんを漢字で書くと、「蜜柑」です。字のごとく、蜜の柑橘。みかんの花から採取したハチミツは、柑橘系の香りがして、通常のハチミツよりも1~2割高く取引されていると聞きました。
みかんの花から採取した有田のハチミツもおススメです。

コタツでみかん!

冬と言えばコタツ、コタツと言えばみかん(猫を飼っていればネコも・・・これは余談)。と言うことで、冬の家庭にはコタツがあるのが定番でした。
冬のコタツを家族が囲む風景は、日本の冬の風物詩です(でした?)

なぜ「コタツにみかん」なのでしょうか?

まだエアコンが普及していなかった昭和の頃、コタツはなくてはならない暖房器具でした。
ですから、当然家族が集まってきます。足の場所取りやテレビのチャンネル争いをよくしたしたものです。
そしてこの時代、冬に手軽に手に入る食べ物としてみかんがあったのです。みかんは、コタツに入って食べるのに適しているのです。

その理由は

  1. コタツで暖まれば水分が欲しくなり、みかんが手ごろである。
  2. でもコタツに入ると、気持ちが良いので出たくなくなる。
  3. みかんは包丁どころか、お皿も無くても良い。
  4. 手が汚れないし、後始末も簡単(ゴミも少ない)
  5. テレビなどを見ながら食べられる。
  6. ビタミンCが豊富で、風邪予防など冬の健康管理にも効果的。
  7. 常温保存可能で、日持ちする。

日本のみかん消費減少とこたつの関係

核家族化が進み、同じ家族でも別々の部屋にこもり、各部屋にテレビ、どころかテレビも見ずに携帯の画面をいじる時代。

そして固定(家庭)電話が減ってきている昨今。エアコンが普及し、家族が集まってコタツに入るシーンが減りました。みかん消費量の減少は、コタツ人口の減少も関係しているのではないでしょうか。国民一人当たりのみかんの消費量はピーク時の1/4、いいえ1/5になろうとしています。特に若い世代の果物離れが懸念されます。先進国の中でも日本は果物消費量が少ない国です。

果物の種類も増え、またジュースやアイス、デザート類など多様化してきた現在、「冬と言えばみかん」と言えなくなったのかも知れませんが、寒い季節だからこそ、コタツに入り、テレビを見ながら「家族団欒・親子の会話」が、いつの時代も続けば良いなあ」と私たちは思っています。

「コタツにみかん」、「コタツに有田みかん」をよろしくお願い致します。